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禁固刑になるか、示談で終わりか

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禁固刑になるか、示談で終わりか

先月、何日間か続けてトップニュースになっていたのが、ベンツを運転するお金持ちタイ人がパホンヨーティン通りで、猛スピードで後ろから追突し、追突された車は投げ出されて炎上し、乗っていた2人が死亡したというものだ。

ベンツに乗っていたジェンポップ(37)は車が横転したにもかかわらず、意識がある状態で助かり、病院に送られた。この事件が起こったのは3月13日。

ジェンポップは送られたバンパインの病院での治療を拒否し、行きつけのスクムビットのサミティベート病院に移された。父親は金持ちで政治家などともつながりがあり、事件をもみ消しできる権力を持っていた。

ここまで聞けば、タイではよくある話として、お金持ちの息子が過失で人を死なせ、刑務所に入らずに示談でお金で解決するというものだろう。

このケースもそれで終わりのはずだったのだが、そうはならなかった。その1つの理由に、近くを走る車が衝突の場面を撮影しており、明らかに猛スピードでやって来る車が後ろから衝突しており、200㌔ほどは出ていたと思われる。

さらに、死亡した2人が将来有望なチュラロンコン大院生であったこと。そのため、その友だちや関係者がだまっていなかった。

そして、決定的だったのは、3月16日ごろに放映されたネーションのニュース番組で、タイでは第1人者であるカノク氏が、担当した警察幹部を電話インタビューしたときのこと。「ジェンポップの血液採取はしていたんですか」「ICUに入っていて口の聞ける状態ではなかった」「それでも警察は酒や薬が入っているかどうか血液採取をするべきだったのでは」「ジェンポップが拒否をして出来なかった」「拒否する権利はないのでは?警察の権利として遂行できるのでは」などと会話が進む。明らかに警察の落ち度で血液採取ができなかった事実がわかり、それ以後、この事件をこのままうやむやにしてはいけない、という社会の風潮が形成されていった。

のちに行われた2人のそれぞれの葬式にジェンポップの父親が出向き、日本でなら被害者側から拒否されるのが一般的だが、タイではその人の身分や地位によって、それが高ければ拒否されることはほぼない。

父親がインタビューで答えていたところでは「電話があり、プーケットから急いでかけつけた。どういう状況なのか、何が悪くて何が正しいのかまだわからない状態で、息子にもまだ詳しく話が聞けない状態だ。なぜ、そんなにスピードを出していたのか聞いている。被害者には誠心誠意、償いをしたい」と、立派な人らしく悠然と話をしていた。

こういう風潮の中でジェンポップに関しては、いろいろ過去の話が出てきた。4年前に同じ車番3333に乗っていたBMWとトラブルになったという人が名乗り出る。ジェンポップが住んでいる邸宅の近くで追突されたという。被害届けは出したものの結局、「それを受けた担当官が移動した」などとうやむやにされた。

また、邸宅の近所に住む住民らはジェンポップの乱暴な運転に対して通報したりしていたが、一向に改善されなかったという。

ちなみにジェンポップは外国の輸入車の会社の取締役でそのほか、15社の株主や取締役となっており、さらに父親が経営するレンソーコーポレーションでも大株主で、同社は最近の決算では1年に12億8968万バーツの収入があった。

酒酔い運転だと立証できないなら、過失として処理され、おそらくは刑事事件としておとがめなし。民事でも被害者側が示談に応じれば、それですべてが終わる。それがタイでの一般的な流れだが、プラユット首相が「金持ちであるか、政治家の知り合いがいるかは関係ない。厳正に法律にもとづいて処罰する」と述べており、果たしてジェンポップは禁固刑になるのかどうか。

ところで、こういうケースで唯一、被害者側が防御できることといえば、乗っている車だろうか。フォードのフィエスタでふっ飛ばされたというが、やはりもう少し、重厚な車、例えばトヨタ・カムリー、トヨタ・フォーチュナー、ホンダ・アコード、ホンダ・CRV、マツダ3、マツダ・CX5などだったら軽くふっ飛ばされることはなかったかも知れない。タイではそれが唯一の防御ともいえるだろう。 (M)

 

2016年45日 タイ自由ランド掲載

 

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